226日

もうすぐ、昨年隠れた父親の誕生日だと、Googleカレンダーから通知が来た。
家族全員の生年月日をちゃんと覚えたのは結構遅かった。パスポート発行で戸籍謄本を取るのに、市役所で実家に電話を掛けて、母親に教えてもらった。それからずっと覚えているつもりだったのが、今年は月日が流れる早さに先を越されてしまった格好だ。
お正月に帰省したときに仏壇を新調したことは聞いていたけど、気が進まず、未だその前に立てずにいる。年度替わりの行事でやり取りされる花束や投げ入れの匂いも、通夜のことを思い出し、気分が悪くなってしまう。
とはいえ、もうそろそろ手を合わせたり何なりをしたくなった。近いうちに父親の大好物のウイスキーでも買って、実家に寄ろうかな……などと思った退勤間際。仕事はいっこうに片付かない。
お祝いをするわけでもないけど、故人の誕生日に思いを馳せるのは、命日に行う年忌法要よりも前向きな感じがして好み。どっちも大事だ。