紙を買って、画面を読んで

若林正恭の書籍を「社会人大学人見知り学部卒業見込」からずっと買っている。
買ってはいるんだけど、最初のあたりで読むのを止めてしまったまま。
水曜どうでしょうD陣の本も、星野源の本も、買ったきりで読めていない。かろうじて北大路公子は大分読み進んだけど、それでも読了というところまでは至っていない。
なぜだろう、そもそも読書をあまりしてこなかった。
ゲームだって本と同じように積んでいるのに、積みゲーよりも消化しようとする気がわいてこない。”消化する”という言い方はネガティブな感じがして好きではないけど、敢えて使う。自分のやっていることは、「買ったんだからやらなくちゃ」という、義務感、仕方なく、まさにそのネガティブな消費のしかただからだ。
あるとき、若林さんのファンの方が、「ナナメの夕暮れ」の一節をツイートしていて、急に読もうと思った。これで読まなかったら、次に読もうと思うのは何年後になるかわからない。
去年の10月に買っていたKindle版を、持ち歩き用と、寝室用と、職場用のFireHD、それとスマホにそれぞれダウンロードした。もとが連載のエッセイで、一編一編が短い時間で読み切れる文章量だったので、少し時間が空いたときに読むのにちょうど良かった。それゆえ、ちょくちょく端末を取り出して、Kindleアプリを開くことも大して億劫じゃなかった。
また、物理ボタンで読書が捗るのは、意外な発見だった。
Amazonプライムデーで、キーボードカバーとOffice365ライセンスがセットになったFireHD10をうっかり購入してしまった。これにもナナメの夕暮れをダウンロードして読んでみたところ、キーボードの矢印キーを押すと、ページが進んだり戻ったりするのだ。
ノベルゲームを遊ぶように読み進めるのが、快適で、楽しい。
このスタイルで他の本も読んでみようと「表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬」のKindle版を買った。
若林さんの紙の初版本は本棚に全部並んでいて、よく目に留まる。気が向いたら、電子書籍じゃなくて、紙で読んでみよう。
特に「社会人大学」はまだ電子化されていないから。